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差し迫る心不全パンデミックへの対応-私たちができる予防策と生活習慣の重要性-

更新日2024.02.07

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差し迫る心不全パンデミックへの対応-私たちができる予防策と生活習慣の重要性-

日本は世界でもトップクラスの超高齢化社会です。2025年には65歳以上の人口が30.3%、75歳以上が13.0%に達すると言われております。2018年の厚労省の発表では、心不全を含む心疾患の患者は年々増加、死因はがんの次に多いのが心疾患です。

高齢者の増加に伴い、高齢心不全患者が大幅に増加することが考えられており、入院医療が必要な方の対応が追いつかない事態が想定されております。

ここでは、心不全パンデミックについて私たちができる予防策と生活習慣の重要性を説明しています。

Contents

▼ 心不全パンデミックとは?

入院が必要な心不全患者を病院が受け止めきれない状態のこと
心不全パンデミックとは?

心不全パンデミックは、日本に限らず全世界で起きると言われており、感染症の大流行になぞらえて心不全が増加し、社会的な問題が起こる可能性があると考えられております。

世界的に超高齢化社会を迎えてきておりますが、高齢者の心不全患者を増やさないように日常で予防と再発をさせないことが大切です。

心不全のメカニズム

心不全のメカニズム

心不全は、心臓の収縮が不十分になることで発生しますが、一般的に心筋が弱ったり硬くなったりすることが原因で起こります。心不全が発症すると十分な量の血液が送り出されなくなるため、血液が組織にたまり、うっ血を起こす場合があります。

他にも心臓のポンプ機能の低下により肺や全身に必要な量の血液を送り出せなくなるため、他の臓器に異常が起きる可能性が高まります。

心不全になると息切れむくみが起こり、悪化することで生命を縮めてしまう病気です。40歳以上の人が心不全を発症するリスクは5人中1人と言われております。

また心臓の機能が悪いと診断されてから5年以内に死亡する人は非常に多く、全世界でも65歳以上の入院中の患者で、入院理由の最も多いのが心不全です。

心不全の主な症状

心不全で見られる主な症状は下記の通りです。

・動悸
・息切れ
・呼吸困難
・むくみ
・疲労感や脱力感

また、このような症状が出る前の心不全予備軍隠れ心不全の段階で治療を開始しておくことがとても重要です。

心不全の主な症状

高齢者は動悸や息切れといった自覚症状はあっても「歳だから」と見逃してしまうことがあります。年齢的な衰えは否定できませんが、普段から健康診断や血圧を測るなど日常生活で変化したことはないかを確認しておく必要があります。特に心不全の原因となる高血圧は、年を重ねるごとに心不全へと進んでいきます。血圧が140/90mmHgを超えているようであれば、すぐに受診するようにしましょう。

さらに心不全は腎臓の機能が悪くなると言われております。健康診断で尿たんぱくが出ている人は、腎臓がさらに悪くなる前に受診をするようにしましょう。

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▼ 心不全の進行ステージ

2018年に公表された『急性・慢性心不全診療ガイドライン』では、心不全に4つのステージが定められました。一度ステージが上がってしまうと元に戻すことが難しいため、ステージを上げないことが重要です。

心不全の進行ステージ

ステージA

高血圧・糖尿病など将来の心不全につながる危険因子を抱えている段階

一般的に高血圧、糖尿病、肥満など心不全に繋がるリスクはあるものの、心臓の病気や心不全症状がない場合になります。この段階で治療に専念すれば、すぐにでも日常生活に戻ることができます。

ステージB

心臓の働きの異常(心肥大や心拍出量の低下など)が現れてきた段階

心臓の病気はあるものの、心不全の症状がない場合になります。心臓肥大や収縮の低下が起こるため、次第に心不全の症状が現れてきます。循環器内科や糖尿病内科、呼吸器内科など血液や心臓に関わるところで受診するようにしましょう。

ステージC

一般に息切れやむくみなどの症状が現れ心不全と診断された段階

心臓の病気があり、むくみや息切れなど心不全症状も現れている場合になります。ステージCからが心不全と診断されます。日常生活にも支障をきたすようになるため、入院の選択肢が出てきます。

ステージD

末期心不全状態の段階

治療しても日常的な身体活動が制限される状態が続く場合になります。投薬や手術でも治りにくく、上級治療を行わなければ生命の維持は困難とされております。近年では、弱った心臓のかわりに血液を全身に送り出す植込型補助人工心臓(VAD)という機械を取り付けることで、環境が整えば社会復帰も可能になると言われております。

▼ 超高齢社会で急増する心不全

心不全の主な症状

心不全は高齢者に限らず若者でも少なからず起こる病気です。心筋梗塞狭心症などの増加や高齢化による高血圧や弁膜症の増加など、心不全の患者は年々増加しております。

心不全は、高齢者が最も気をつけるべき心臓のトラブルのひとつです。2018年に国立循環器病研究センターが発表した罹患者数は、全国で約120万人、2030年には130 万人に達すると推計されております。がんの罹患者数が約100万人いることからも、心不全を患っている方がいかに多いかが分かります。

超高齢社会で急増する心不全

さらに、心不全の罹患者率は高齢になればなるほど高くなることが知られております。米国の研究では、50歳代での慢性心不全の発症率は1%であるのに対し、80歳以上では、10%になることが報告されております。

▼ まとめ

まとめ

心不全は、がんよりも緩和ケアを必要とする患者が多いと言われる病気です。心不全が原因で苦しい治療や日常生活が送れなくなる前に、早期発見・早期治療が重要です。

心不全の予防としては、生活習慣(適切な運動・肥満予防・禁煙・減塩・節酒など)の改善と、体重や血圧を毎日測定して悪化の兆しがないかを日々チェックするようにしましょう。