風邪がうつる理由について

更新日2022.08.01

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▼ 風邪とはどのような病気!?その原因とは?

ウイルスや細菌が上気道(鼻腔から喉頭にかけて)で炎症を起こす疾患のこと
BCGワクチンとは

一般的に言われている「風邪」は、実は病名ではありません。
病気としての正式名称は、「風邪症候群」となります。

症候群は、ある病状の場合に、いくつかの症状が同時にあらわれることで、必ずしも起きるとは限らず、その原因も定かではない場合に使われます。
風邪症候群は、全ての患者に必ず同じ症状が起きるわけではありませんが、概ね呼吸器系に支障が出ることが多いです。

主な原因は、80~90%がウイルス感染です。
その代表的なウイルスが、ライノウイルスとコロナウイルスといわれています。
ウイルス以外では、一般的な細菌による感染も考えられます。

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▼ 人から人へうつる理由とその感染ルート

ウイルスと細菌は、存在自体が大きく異なります。

ウイルス
単独で生存できず、生きた細胞がなければ活動および増殖しない
細菌
水分や栄養があれば、生きた細胞がなくても活動および増殖する
予防効果と副反応

風邪の原因の多くは、ウイルスによるものです。ウイルス自体は、生きた細胞がなければ、生存することができません。

ウイルスの種類や環境により異なりますが、風邪に多いライノウイルスは、人の体外で1~8時間の生存期間があるといわれています。
風邪よりも症状の重いインフルエンザウイルスは、2日ほど生存するといわれており、生存期間の約1/4の期間は、最も感染性が高いといわれております。

またウイルスは、凹凸のある面よりも平滑な面のほうが、より長生きするといわれており、衣類よりもドアノブや吊り革のような場所には注意する必要があります。
風邪は、接触感染飛沫感染という2つの方法でうつるといわれており、日常利用するエスカレーターの手すりや、硬貨などからも感染する可能性があります。

▼ 風邪を予防しよう!

予防効果と副反応

風邪を予防する上で一番大切なことは、ウイルスを体内に入れないことです。
これはどのウイルスにも言えることですが、免疫力を低下させてしまうと、ウイルス感染を引き起こしやすくしてしまうため、基礎体力をつけ、規則正しい生活を送ることが最も重要です。

それ以外の予防策としては、帰宅後の手洗いとうがいも重要です。外からウイルスを持ち込んでも流してしまうことができます。

また風邪は、呼吸器系の炎症による疾患ですので、マスクの着用は大きな効果が期待できます。マスクは予防だけでなく、自身が感染している場合においても他人にうつしてしまう可能性を下げることにもつながります。
室内においては、ウイルスのほとんどが高温多湿に弱いため、体を温め、水分補給することで予防することができます。

インフルエンザのような特定されたウイルスに対しては、予防接種が効果的です。

▼ もし風邪にかかってしまったら!?症状と対処方法

予防効果と副反応

風邪やインフルエンザなどのウイルス感染は、残念なことに完璧に予防することはできません。
もし風邪にかかってしまったら、症状を和らげ、ウイルスに対応できる状況をつくりましょう。
下記は、一般的な風邪の症状を季節別にまとめたものです。

  夏場の風邪 冬場の風邪
症状 発熱・食欲不振・頭痛・結膜炎・発疹・胃腸炎・のどの痛み 発熱・食欲不振・頭痛・咳・くしゃみ・鼻水・鼻づまり・たん

※夏場の風邪は室内エアコンによる室温の下げ過ぎと除湿の場合が多い

風邪の症状が出てしまった場合の対処方法は、以下の方法が効果的といわれています。

✔ 体を温める(汗をかく)

意外かもしれませんが、お風呂に入ることが効果的です。大事なポイントは、体を温めることです。半身浴ではなく、全身浴でいつもより少し長めに入り、体の芯まで温めましょう。
また湯上りの際に、体が冷えてしまうと逆効果になりますので、浴室や脱衣所は暖かい状態にしておきましょう。

✔ 水分補給

夏場だけでなく、冬場も脱水症状になるといわれています。体の水分が不足してしまうと、ウイルスが活動しやすくなるため、十分に水分を補給しておきましょう。
その際に注意しなければならないのが、冷たい飲み物です。冷たい飲み物は体温を下げてしまいますので、なるべく温かい飲み物で補給するようにしましょう。

✔ 室内環境を整える

ウイルスは高温多湿に弱いため、室温と湿度を調整しましょう。室温は20~25℃に、湿度は60~80%が理想です。
冬場の乾燥時期には、室内に加湿器や濡れたタオル、お湯を沸かすことなどが効果的です。

✔ 咳をする

咳は、体内のウイルスを外に出すための防御本能です。周囲に迷惑がかからない範囲で行いましょう。
また咳込みが長時間続き、むせるほどの咳が出る場合は、のどの粘膜を傷つけてしまいますし、体力を奪う原因にもなりますので、ひどい場合には咳止めなどの対応をしましょう。

✔ 栄養を摂る

体力が消耗してしまうと、ウイルスに抵抗する力が弱くなります。そうならないためにも、ビタミンや消化しやすいタンパク質などを摂る必要があります。
どうしても食欲がない場合は、サプリメントなどで栄養を補いましょう。

✔ 睡眠をとる

体力を回復させるには、体を安静にさせることが重要です。睡眠には、ストレスや疲労の回復が見込めます。
ウイルスの活動を抑えるためにも、十分な睡眠をとるようにしましょう。

✔ 風邪薬を服用する

間違えやすいのですが、一般に市販されている風邪薬は、ウイルスに直接効くものではありません。
風邪薬の役割は、熱や鼻水などの症状を和らげることです。その間に体力を回復させ、ウイルスに抵抗することで健全な状態に回復していきます。

▼ まとめ

予防効果と副反応

風邪は、ウイルスが体内に入ることで引き起こされる症状です。
風邪は一年中発症例がありますが、夏よりも冬の時期が多いのは、気温が低く乾燥しており、空気中に漂っているウイルスが長生きしているからです。

風邪をうつしたり、うつされたりする理由は、基礎体力の低下とウイルスが活動しやすい環境があるからです。

風邪の原因となるウイルスは、200種類以上あるといわれています。そのすべてを防ぐことは容易なことではありません。
日頃からウイルスを寄せ付けないよう免疫力を高め、帰宅後の手洗い・うがい、外出時のマスク着用など、しっかりと予防するようにしましょう。
また、症状が重い場合や、回復の兆しがない場合には、かかりつけ医や近隣の内科医に相談するようにしましょう。