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医療に関する専門用語を解説した用語辞典です。

赤痢(疫痢)

急性の消化器系感染症の一つ。感染症予防法では、病原体によって細菌性赤痢(3類感染症)とアメーバ赤痢(5類感染症)に分けられる。飲食物を介して経口感染する。アメーバ赤痢は熱帯・亜熱帯に多く、日本では普通は赤痢菌による細菌性赤痢をさす。2〜4日の潜伏期ののち高熱を発し、連続的に便意を催し、主に粘液質の血便が出る。

【細菌性赤痢の症状】
潜伏期間は1〜5日(通常1〜3日)です。1〜2日の発熱とともに、腹痛・下痢症状がみられます。最も病原性の強いA群(志賀赤痢菌)では、血便やしぶり腹(トイレにいった後でもすっきりせず、またトイレに行きたくなる状態)を伴いますが、他の3種の赤痢菌では血便をみることはほとんどありません。特にD群(ソンネ菌)では、症状が軽く、軟便や軽度の発熱で経過することが多くみられます。

【アメーバ赤痢の症状】
感染した人の10〜20%で症状がみられます。 病原体を摂取して通常2〜4週(幅数日〜数年)で、下痢、粘血便、しぶり腹、排便時の下腹部痛や不快感などの症状を起こします。典型的な例ではイチゴゼリー状の粘血便がみられ、数日〜数週間の間隔で悪くなったりよくなったりします。 アメーバは血液にのって腸以外の臓器に侵入することがあり、中でも肝臓にうみがたまることがあります。この場合、38〜40℃の熱、右のわき腹の痛み、肝臓のはれ、吐き気、嘔吐、体重減少、寝汗、全身のだるさなどが起きます。