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医療に関する専門用語を解説した用語辞典です。

急速進行性糸球体腎炎(きゅうそくしんこうせいしきゅうたいじんえん)

腎臓のろ過装置である糸球体に高度の炎症がおき、血尿や蛋白尿が出現し、数日〜数週間の間に急速に腎機能が低下して腎不全になってしまう予後の悪い疾患です。
腎生検の所見は、多くの糸球体に半月体という細胞の増殖する構造物が観察され、壊死性半月体形成性糸球体腎炎とよばれています。

【急速進行性糸球体腎炎の原因】
根本的な原因は不明ですが、自己免疫(体の抵抗力)の異常を背景に発症していると考えられています。日本における急速進行性腎炎の患者の6〜7割はANCA(anti-neutrophil cytoplasmic antibody:抗好中球細胞質抗体)という自己抗体を持っています。
ANCAは中〜小型の血管に炎症を起こし、腎臓の糸球体と呼ばれる「血管の塊」にも激しい炎症を起こし、血尿・蛋白尿が認められるだけでなく、糸球体の本来の働きである老廃物の濾過ができなくなります。ANCAが陽性となり急速進行性腎炎を起こす疾患をANCA関連血管炎といい、この病気の場合、腎臓以外の血管にも炎症を起こすことがあり、肺炎や肺出血、皮膚の出血斑、神経炎を合併することがあります。

【急速進行性糸球体腎炎の症状】
主に全身倦怠感、体重減少、微熱、食欲不振などとともに、尿量減少、むくみ(浮腫)などがありますが、無症状の場合もあります。
病気が進行すると、吐き気、息苦しさ、痰や便に血液が混じる、皮膚の出血、意識の低下などが出現します。血尿(多くは顕微鏡的血尿、まれに肉眼的血尿)、タンパク尿があります。

【急速進行性糸球体腎炎の治療】
できるだけ早期に診断し、ステロイド薬や免疫抑制薬(シクロフォスファミドなど)の治療を行います。腎機能が高度に低下している場合には透析治療が必要となりますが、治療により腎機能が回復すれば、透析治療から離脱できる可能性もあります。
また、血漿交換(ANCAを含む自己抗体やサイトカインを除去し他人の血漿と交換する)治療を行うこともあります。
治療中は、抵抗力(免疫力)が落ちるため、感染症の予防・治療が大切です。