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医療に関する専門用語を解説した用語辞典です。

肝臓

肝臓は、人体の右上腹部に位置し、肋骨弓の後ろ側で、横隔膜の下にある人体のなかでもっとも重い臓器です。
成人の肝臓の重さは、1.2~1.5kgで、体重の約50分の1にあたり、生まれたばかりの新生児の肝臓は、体重の約18分の1にもなります。
肝臓は、厚みがあって大きい右葉と、小さい左葉に分かれ、下面の中央に血管、胆管、神経が走っています。 【肝臓のはたらき】
肝臓はよくからだのなかの化学工場、貯蔵庫にたとえられます。
それは肝臓が、腸で吸収されたさまざまな栄養素を代謝、貯蔵するほか、胆汁の生成や分泌、および解毒や排泄などの、生命の維持に必要な多くのはたらきを行なっているからです。
肝臓には約2000種以上の酵素があるといわれ、これらの酵素のはたらきによって、肝臓は以下のようなさまざまな機能を営んでいます。

【肝臓の機能1:代謝機能】
栄養素を分解したり合成したりして身体が利用できる形に作り変えるために、栄養素を分解・合成する機能。この代謝作用が肝臓機能の中でも最も重要なものです。
(アルコールの分解)
アルコールは、90%以上が肝臓で代謝されます。そしてアセトアルデヒドに分解され、その後、酢酸、水に変わります。
飲み過ぎ等でアセトアルデヒドが蓄積すると、二日酔い、肝障害などの原因となります。
【肝臓の機能2:解毒作用】
食べ物や飲み物の中には、栄養となるもの以外に有毒なものが含まれていることがあり、有害物質の多くは腸から吸収され肝臓に集まってきます。 肝臓は自分の持っている解毒作用の働きによって、これらを無毒化して体外に排出する働きがあります。
【肝臓の機能3:消化】
胆汁という消化液を作る機能。肝臓から分泌される胆汁酸には、コレステロールを排泄させる働きがあります。